文部省哲学担当者宛書簡

 文部科学大臣 
 文部科学省初等中等教育局長
 文部科学省高等教育局長
 文部科学省生涯学習政策局長     
 文部科学省中央教育審議会長
 文部科学省国立教育政策研究所長         殿(各通)
 文部科学省高等教育局高等教育企画課長
 文部科学省高等教育局大学振興課長
 文部科学省高等教育局国立大学法人支援課長
 文部科学省初等中等教育局初等中等教育企画課長
 文部科学省初等中等教育局教育課程課長
 日本教育再生実行会議会長
    
 冊子「哲学国家日本の実現の為に」について(贈呈)

 拝啓、時下ますます御清祥のこととお喜び申し上げます。
 さて、この度、冊子「哲学国家日本の実現の為に」を作成しましたので贈呈いたします。

 哲学国家日本とは、国民一人一人が智慧を愛する事に依って、成熟して行く国家の事を言います。今回の冊子においては、その意義と実現方策を述べている所です。教育政策の中において、御活用してして頂ければとても嬉しく思います。

 なお「哲学国家日本」の実現方策として、大きく次の四つを挙げています。
 一 「小中高校大学哲学一貫教育」
 二 「大学教育学部における徹底した哲学教育」
 三 「哲学読本大全の作成」
 四 「哲学広場の設置」 
 この内、一番目と二番目の「哲学教育」については、制度的な制約がある為に直ぐに実行する事は出来ませんが、三番目の「哲学読本大全」と四番目の「哲学広場」については、有志が集まれば直ぐにでも実行する事が出来、その効果がとても大きいので、今回の冊子においては、その辺りを中心に述べている所です。
 そして、その中心と成るのが大学の哲学の先生に成る事から、国立大学教育学部と国立大学文学部と私立総合大学文学部の哲学の先生方には、この冊子を書簡文(別冊三四九~三七二頁)と共に送っている所です。大学の哲学の先生方とこの事について考える機会を持って頂ければとても嬉しく思います。
 なおこの冊子については、大学の哲学の先生の他に、各新聞社、大手出版社、大手放送社の編集局の哲学担当編集長様、更には国の関係機関の方々にも、それぞれの書簡文(別冊三七四~三七五頁)と共に送っている所です。具体的な送付先は、「送付先一覧表」(別冊三七七~三八二頁)の通りです。つきましては、これらの方々とも、この事について一緒に成って考える機会を持って頂ければとても嬉しく思います。

 なお哲学国家日本における所の『哲学』とは、philosophia、すなわち智慧(sophia)を愛する(philo)と言う意味での哲学の事です。私は国民一人一人がこの『智慧』の事を正しく理解し、そしてその智慧を愛し続けて行けば、この日本は素晴らしい国家に成って行くと思っています。官民一体と成って、この『智慧』、この『哲学』について考える機会を持って頂ければとても嬉しく思います。
敬具
平成二十五年五月吉日

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