モデル的哲学読本大全

モデル的な「哲学読本大全(智慧の巻)」の作成について

 哲学読本大全は、「哲学読本大全(智慧の巻)」と「哲学読本大全(哲学テーマ別)」をセットで、作成する事になります。
 「哲学読本大全(智慧の巻)」は、古今東西の哲学者たちの智慧に関する名文(古今東西の哲学者たちが智慧を如何考え、その智慧を如何に愛したか等々に関する名文)を、それぞれの哲学者たちの哲学的名著の中から集めて編集する事になります。
 一方、「哲学読本大全(哲学テーマ別)」は、皆様に関心のあるあらゆる哲学テーマに関する名文を、あらゆる名著の中から集めて編集する事になります。

 哲学読本大全は、最終的には、哲学広場日本で作成する事になりますが、哲学広場日本で作成するまでは、それぞれの哲学広場で作成する事になります。
 ついては、それぞれの哲学広場で哲学読本大全を作成する際の参考にして頂く為に、当該ホームページ上において、皆様の協力を得ながら、哲学読本大全をモデル的に作成し行きたいと考えています

 なお、哲学読本大全は、「哲学読本大全(智慧の巻)」と「哲学読本大全(哲学テーマ別)」をセットで作成する事になりますが、当該ホームページにおいては、「哲学読本大全(智慧の巻)」のみをモデル的に作成したいと考えています。
 「哲学読本大全(智慧の巻)」と「哲学読本大全(哲学テーマ別)」の違いは、「哲学読本大全(智慧の巻)」の哲学テーマが、『智慧』の一個だけであるのに対して、「哲学読本大全(哲学テーマ別)」の哲学テーマが、皆様の関心のあるあらゆる哲学テーマと言う違いだけであり、作成方法は一緒ですので、「哲学読本大全(智慧の巻)」をモデル的に作成する事によって、「哲学読本大全(哲学テーマ別)」の作成方法についても、自ずと体得する事が出来る様になると思います。

 ついては、当該ホームページ上で作成する、モデル的な「哲学読本大全(智慧の巻)」の作成要領を、下記にお示ししますので、ご協力方よろしくお願いします。

                記

モデル的な「哲学読本大全(智慧の巻)」の作成要領について

1 趣旨
  それぞれの哲学広場で皆様が哲学読本大全を作成する際の参考にして頂く為に、当該ホームページ上において、皆様と協力して、「哲学読本大全(智慧の巻)」をモデル的に作成する。

2 「哲学読本大全(智慧の巻)」の編集方針
  あらゆる哲学者(智慧を愛した者)の『智慧』に関する名文を集めて編集する。
  
3 「哲学読本大全(智慧の巻)」の第一版の作成
  百人の哲学者の智慧に関する名文が集まった時点で、「哲学読本大全(智慧の巻)」の第一版を作成する。

4 「哲学読本大全(智慧の巻)」の第二版、第三版、第四版の作成
  二百人の哲学者の智慧に関する名文が集まった時点で、第二版を、
  三百人の哲学者の智慧に関する名文が集まった時点で、第三版を、
  四百人の哲学者の智慧に関する名文が集まった時点で、第四版を作成する。

5 「哲学読本大全(智慧の巻)」の最終版の作成
  五百人の哲学者の智慧に関する名文が集まった時点で、最終版を作成する。

6 「哲学読本大全(智慧の巻)」における所の『哲学者』について
  「哲学読本大全(智慧の巻)」における所の『哲学者(智慧を愛した者)』とは、一般的に哲学者と言われる者だけでなく、偉大な文学者、芸術家、宗教家、政治家、科学者等々、智慧を愛した全ての者が対象となる。(例、ダンテ、ゲーテ、トルストイ、レオナルド・ダビンチ、ニュートン、シュバイツアー、イエス、ブッダ、マホメット、空海、道元、親鸞、ガンジー、西郷隆盛=敬天愛人、夏目漱石=則天去私等々も「哲学読本大全(智慧の巻)」における所の『哲学者』の対象となる)

7 「哲学読本大全(智慧の巻)」における所の『智慧』について
  「哲学読本大全(智慧の巻)」における所の『智慧』とは、それぞれの哲学者(智慧を愛した者)の中心概念を為す所のものです。全てがそこから生まれ、全てがそこへ収束して行く所の「それ」(智慧)の事です。ソロモン、ソクラテス、プラトン、エピクロス、セネカ、デカルト等の智慧や、ダビデ、イエス、パウロ等の主や、ブッダの般若、孔子の仁、王陽明の良知、老子の仁、クシリュナのアートマン等々がその概念に入って来ます。なお、これらの概念については、「哲学国家日本の実現の為に」の中において、ソロモンの智慧ダビデの智慧イエスの智慧パウロの智慧ブッダの智慧孔子の智慧王陽明の智慧老子の智慧ソクラテス=プラトンの智慧エピクロスの智慧セネカの智慧クリシュナの智慧デカルトの智、そして智慧と愛として纏めていますので、参考にして頂ければと思います。

8 「哲学読本大全(智慧の巻)」の作成方法について
  「哲学読本大全(智慧の巻)」については、皆様において、「哲学読本大全(智慧の巻)」の名文原稿をワードで作成し、その名文原稿を当方のメールアドレス(sofialover@nifty.com)に送信して頂き、それらの名文原稿を、当方において、哲学者毎に、整理編集する事によって、作成する

9 「哲学読本大全(智慧の巻)」の名文原稿の作成方法について
  「哲学読本大全(智慧の巻)」の名文原稿については、名著の中の名文の個所を含む頁をスキャナーで読み込み、ワードに張り付ける方法により作成する事になるが、具体的には次の方法により作成する。
 ① 用紙のレイアウト
  ア 用紙サイズ→→→A4 
  イ 用紙の余白→→→上下左右各25mm
  ウ 用紙の向き→→→横 
  エ 文字列→→→→→縦書き 
  オ 文字ポイント→→10.5

 ② 本文のレイアウト
  1行目→→→→→→→哲学者名の智慧 
  2行目→→→→→→→空白 
  3行目→→→→→→→名文の標題(皆様において適当な標題を付す) 
  4行目→→→→→→→著者名と著書名 
  5行目→→→→→→→名文(スキャナーで読み込んだ名文を張り付ける。) 
  末尾→→→→→→→→出典     
           (出典1行目→→著者名、著書名)     
           (出典2行目→→図書シリーズ名、図書名、掲載頁、出版社名、出版年月日、版数)

 ③ 実際例
   実際例を示すと次の通りとなる。
   なお、この事例は、岩波書店の岩波文庫「エピクロス」の『メノイケウス宛の手紙』からの引用である。


エピクロスの智慧

『哲学(知恵の愛求)の勧め』
             エピクロス「メノイケウス宛の手紙」より

 『人はだれでも、まだ若いからといって、知恵の愛求(哲学)を延び延びにしてはならず、また年取ったからといって、知恵の愛求に倦むことがあってはならない。なぜなら、なにびとも、霊魂の健康を得るためには、早すぎるも遅すぎるもないからである。また知恵を愛求する時期ではないだの、もうその時期が過ぎ去っているのだという人は、あたかも、幸福を得るのに、まだ時期がきていないだの、もはや時期ではないのだという人と同様である。それゆえ、若いものも、年老いているものも、ともに、知恵を愛求せねばならない。年老いたものは、老いてもなお、過去を感謝することによって、善いことどもに恵まれて若々しくいられるように、若いものはまた、未来を恐れないことによって、若くして同時に老年の心境にいられるように。そこでわれわれは、幸福をもたらすものどもに思いを致せねばならない。幸福が得られていれば、われわれは全てを所有しているのだし、幸福が欠けているなら、それを所有するために、われわれは全力を尽くすのだから。』

出典 エピクロス「メノイケウス宛の手紙」     
   (岩波文庫「エピクロス」六五頁、岩波書店、一九九六年七月八日、第二七刷発行)

※当該事例では、横書きと成っていますが、実際の原稿においては、これが縦書き(用紙の向きは横)となります。
※四角の線で囲まれた名文については、当該事例では清書し直していますが、実際の原稿作成の際には、名著の中の名文の頁をそのまま、スキャナーで読み込み、名文の個所に『』を表示する方法で示す事になります。
※著書の名文は、縦書きは縦書きのまま、横書きは横書きのまま張り付ける事とします。(一般的には縦書きが圧倒的に多くなると思います。)
※名文原稿は、名文本文の他、標題、出典等全部を含め、原則としてA4、1枚に収める事とします。1枚で収まらない場合には、2枚までは可とします。


 ④ 作成上の注意
   ア 名文の文章量は起承転結が、はっきり分かる程度の文章量とする。
   イ 名文原稿は、標題や出典等を含めて、A4版1枚に収める事とする。1枚に収まらない場合は、2枚までは可とする。
   ウ 名文については、名著の中の1頁(もしくは2頁)を縦書きは縦書きのまま、横書きは横書きのまま、A4版ワードに張り付け、名文の個所を『』書きで示す事とする。
      
10 「哲学読本大全(智慧の巻)」の利用上の注意
  「哲学読本大全(智慧の巻)」の名文原稿を送信して頂いた方には、「哲学読本大全(智慧の巻)」の第一版、第二版、第三版、第四版及び最終版を作成した時点において、それぞれの「哲学読本大全(智慧の巻)」をメールで送信する事とする。
  なお、当該「哲学読本大全(智慧の巻)」は、名文原稿を送信して頂いたそれぞれの方の、個人限定使用の研究用資料として作成する事とするので、インターネット上で公開したり、他人にメール送信したりしない事とする。

11 代表的な哲学者例
  代表的な哲学者例を、西洋、東洋、日本に分けて例示し、インターネット上のそれぞれの哲学者の記事にリンクさせていますので、これらの記事を参考にしながら、それぞれの哲学者の代表的な「智慧の書」を見出し、それぞれの哲学者の智慧に関する核心的な名文を見出して頂きたいと思います。

西洋

ダビデ(旧約聖書:詩編) ソロモン(旧約聖書:箴言 イエス(新約聖書) パウロ(パウロ書簡) ペテロ(ペテロの手紙)
プラトン(ソクラテス) アリストテレス エピクロス キケロ フィロン
セネカ エピクテトス プルタルコス マルクス・アウレリウス プロチノス
アウグスティヌス アンセルムス トマス・アクイナス エックハルト ダンテ
クザーヌス トマス・ア・ケンビス エラスムス トーマス・モア ルター
カルヴァン モンテーニュ ベーコン ベーメ ホッブス
デカルト パスカル スピノザ ロック ライプニッツ
モンテスキュー ルソー カント ゲーテ フィヒテ
ヘーゲル ショーペンハウワー エマーソン キルケゴール ウェーバー
トルストイ ヒルティ ニーチェ フロイト デューイ
ベルクソン シュタイナー ユング ブーバー ヤスパース
バルト ハイデッカー サルトル レヴィナス  


東洋(インド)

クリシュナ(バガヴァッド・ギター マハヴィーラ バタンジャリ
ラマーヌージャ シャンカラ
ラーマクリシュナ
ダゴール ガンジー クリシュナムルティ ラジニーシ


東洋(インド仏教)

釈迦(仏陀)
馬鳴 竜樹 月称 世親
無着        


東洋(イスラム)

マホメット ブハリー キンディー ファーラービー イブン・スィーナー
ガザーリー 劉智      


東洋(その他)

ゾロアスター        


東洋(中国)

老子 孔子 曾子 墨子 列子
荘子 孟子 朱子 王陽明 洪自誠


東洋(中国仏教)

曇鸞 達磨 智顗 弘忍 慧能
善導 臨済      


日本

聖徳太子 中江藤樹 山鹿素行 伊藤仁斎 荻生徂徠
石田梅岩 本居宣長 平田篤胤 二宮尊徳 佐藤一斎
大塩平八郎 西郷隆盛 吉田松陰 内村鑑三 鈴木大拙
西田幾多郎 新渡戸稲造 田辺元 和辻哲郎 中村元
井筒俊彦 梅原猛      


日本(仏教)

聖徳太子 最澄 空海 源信 法然
一遍 親鸞 道元 日蓮 良寛


聖典

旧約聖書(キリスト教) 新約聖書(キリスト教 コーラン(イスラム教 ハディース(イスラム教) 法華経(仏教)
般若心経(仏教) 浄土三部経(仏教) 発句経(仏教) アヴェスター(ゾロアスター教) ウパニシャッド(バラモン教
易経(儒教) 詩経(儒教) 書経(儒教) 古事記(神道) 日本書紀(神道)
エジプト「死者の書」        





(参考)
※下記は、それぞれの哲学者(智慧を愛した者)の智慧に関する名文が記載されているであろうと思われる、それぞれの哲学者の代表的哲学的名著を書き出したものです。これらを参考にしながら、図書館に籠って頂き、それぞれの哲学者の智慧に関する名文を探し出して頂きたいと思います。なお、全ての哲学者(智慧を愛した者)が、智慧を智慧と呼んでいる訳でありりません。智慧は、地域により、時代により、そして宗教により、様々に呼ばれる事があります。それぞれの哲学者の智慧に関する名文を探し出す為には、それぞれの哲学者が、その智慧(それぞれの哲学者の智慧の源泉)を何と呼んでいるかを見極める事がとても大切になります。
【西洋】
モーセ?        「創世記」(旧約聖書)
ダビデ         「詩編」(旧約聖書)
ソロモン        「箴言」(旧約聖書)
コレヒト        「コレヒトの言葉」(旧約聖書)
イザヤ         「イザヤ書」(旧約聖書)
ヨブ          「ヨブ記」(旧約聖書)
イエス(マタイ)    「マタイによる福音書」(新約聖書)
イエス(ヨハネ)    「ヨハネによる福音書」(新約聖書)
パウロ         「ローマ信徒への手紙」(新約聖書)
ペテロ         「ペテロの手紙」(新約聖書)
ヨハネ         「ヨハネの手紙」(新約聖書)
プラトン(ソクラテス) 「国家」「饗宴」「パイドン」(岩波文庫)
クセノポン       「ソクラテスの思い出」(岩波文庫)
アリストテレス     「二コマコス倫理学」(岩波文庫)
エピクロス       「エピクロス」(岩波文庫)
ルクレティウス     「物の本質について」(岩波文庫)
キケロ          「神々の本性について」(キケロ選集11:岩波書店)
フィロン        「観想的生活・自由論 」(ユダヤ古典叢書:教文館)
セネカ         「道徳書簡集」、「道徳論集」(東海大学出版会)
エピクテトス      「語録」、「要録」(世界の名著13:中央公論社)
プルタルコス      「モラリア」(京都大学学術出版会)
マルクス・アウレリウス 「自省録」(岩波文庫)
プロチノス       「善なるもの一なるもの」(岩波文庫)
ラエルティオス     「ギリシア哲学者列伝」(岩波文庫)
アウグスティヌス    「神の国」(岩波文庫)
アンセルムス      「モノロギオン」(岩波文庫)
ボエティウス      「哲学の慰め」(岩波文庫)
アベラール       「アベラールとエロイーズ愛の往復書簡 」(岩波文庫)
トマス・アクィナス   「神学大全」(創文社)
エックハルト      「エックハルト説教集」(岩波文庫)
ダンテ         「神曲」
クザーヌス       「神を観ることについて」(岩波文庫)
トマス・ア・ケンビス  「キリストにならいて」(岩波文庫)
シレジウス       「シレジウス瞑想詩集」(岩波文庫)
エラスムス       「平和の訴え」(岩波文庫)
トーマス・モア     「ユートピア」(岩波文庫)
ルター         「キリスト者の自由・聖書への序言」(岩波文庫)
カルヴァン       「キリスト教綱要」(新教出版社)
モンテーニュ      「エセー」(岩波文庫)
ベーコン        「ベーコン随筆集」(岩波文庫)
ベーメ          「ヤコブ・ベーメ」(キリスト教神秘主義著作集13:教文館)
ホッブス        「リヴァイアサン」(岩波文庫)
デカルト        「方法序説」、「哲学原理」(岩波文庫)
パスカル        「パンセ」(岩波文庫)
スピノザ        「エチカ(倫理学)」(岩波文庫)
ジョン・パニヤン    「天路遍歴」(岩波文庫)        
ロック         「人間知性論」(岩波文庫)
ライプニッツ      「形而上学叙説」(世界の名著25:中央公論社)
ヴィーコ        「新しい学」(世界の名著 続6:中央公論社)
バークリ        「人知原理論」(岩波文庫)
スウェーデンボルグ   「神の愛と知恵」(スヴェーデンボリ出版)
モンテスキュー     「法の精神」(岩波文庫)
ヒューム        「人性論」(世界の名著27:中央公論社)
ルソー         「エミール」(岩波文庫)
アダム・スミス     「道徳感情論」(岩波文庫)
カント         「純粋理性批判」「実践理性批判」「道徳形而上学原論」 
レッシング       「理性とキリスト教 」(レッシング哲学・神学論文集:新地書房)
ヘルダー        「人間性形成のための歴史哲学異説」(世界の名著 続7)
ベンサム        「道徳及び立法の諸原理序説」(世界の名著38)
ゲーテ         「神と世界」(ゲーテ全集1:潮出版社)
フィヒテ        「人間の使命」(岩波文庫)
シュライエルマッハー  「独白」(岩波文庫)
ヘーゲル        「精神哲学」(岩波文庫)
J.S.ミル        「自由論」(岩波文庫)
シェリング       「人間的本質の自由」(岩波文庫)
コント         「実証精神論」(世界の名著36:中央公論社)
ショーペンハウワー   「意志と表象」(世界の名著 続10:中央公論社)
エマーソン       「精神について」(エマーソン選集2:日本教文社)
フォイエルバッハ    「将来の哲学の根本命題」(岩波文庫)
キルケゴール      「死にいたる病」
ウェーバー       「古代ユダヤ教」(岩波文庫)「儒教と道教」(創文社)
スペンサー       「知識の価値」(世界の名著36:中央公論社)
トルストイ       「人生の道」(岩波文庫)
ヒルティ        「幸福論」(岩波文庫)
ディルタイ         「倫理学・教育学論集」(ディルタイ全集6:法政大学)
ブレンターノ      「道徳的認識の源泉について」(世界の名著51)
バース         「論文集」(世界の名著48:中央公論社)
ジェームズ       「哲学の根本課題」(世界の名著48:中央公論社)
ニーチェ        「悦ばしき知恵」(ニーチェ全集8:ちくま学芸文庫)
フロイト        「自我論文集」(ちくま学芸文庫)
ジンメル        「哲学の根本問題」(ジンメル著作集6:白水社)
デューイ        「倫理学」(デューイ=ミード著作集10:人間の科学社)
フッサール        「デカルト的省察」(世界の名著51:中央公論社))
ベルクソン       「道徳と宗教の二つの源泉」(世界の名著53中央公論社)
ホワイトヘッド     「観念の冒険」(世界の名著58:中央公論社)
アラン         「幸福論」(岩波文庫)
シュタイナー      「人智学・心智学・霊智学」(ちくま学芸文庫)
ラッセル        「神秘主義と理論」(ラッセル著作集4:みすず書房)
ヴァレリー       「神について」(ヴァレリー全集カイエ編7:筑摩書房)
ユング         「結合の神秘」(ユングコレクション5:人文書院)
シュバイツァー     「キリスト教と世界の宗教」(シュバイツァー著作集8:
フーバー        「我と汝・対話」(岩波文庫)
オルテガ        「哲学とは何か」(オルテガ著作集6:白水社)
ヤスパース       「理性と実存」(ヤスパース選集29:理想社)
ブロッホ        「希望の原理」(白水社)
ティリッヒ       「絶対者の問い」(ティリッヒ著作集4:白水社)
バルト         「神認識と神奉仕」(バルト著作集9:新教出版社)
マルセル        「存在の神秘」(マルセル著作集5:春秋社)
ハイデッガー       「哲学とは何か」(ハイデッガー選集7:理想社)
サルトル        「真理と実存」「自我の超越」(人文書院)
レヴィナス       「実存から実存者へ」(ちくま学芸文庫)

※近代までの哲学書については、聖書及び「世界の名著81巻」(中央公論社)を中心に選択しています。現代の哲学書については、その哲学者の哲学全集が発行されている哲学者を対象に、「国立国会図書館蔵書検索システム」に基づき、『それ』の記載があるであろうと思われる哲学書を選択しています。

【東洋】
(中国哲学)
古代中国詩人      「詩経」(岩波文庫)
古代中国聖人賢人    「書経」(漢文大系25:明治書院)
古代中国哲人      「易経」(岩波文庫)
老子          「老子」(岩波文庫)
孔子          「孔子」(岩波文庫)
曾子・孔子       「孝経」(岩波文庫)
曾子・孔子       「大学」(岩波文庫)
子思・孔子       「中庸」(岩波文庫)
墨子          「墨子」(岩波文庫)
列子          「列子」(岩波文庫)
荘子          「荘子」(岩波文庫)
孟子          「孟子」(岩波文庫)
劉安          「淮南子」(漢文大系34:明治書院)
朱子          「朱子文集・語類抄」(世界の名著 続4:中央公論社)
王陽明         「伝習録」(漢文大系22:明治書院)
呂新吾         「呻吟語」(講談社学術文庫)
洪自誠         「菜根譚」(講談社学術文庫)

(中国仏教)
僧肇          「肇論」(大乗仏典 中国日本編2:中央公論社)    384
僧祐          「出三蔵記集」「弘明集」(大乗仏典 中国日本編3,4)445 
曇鸞           「浄土論註」(大乗仏典 中国日本編5:中央公論社)  476  
慧皎          「高僧伝」(岩波文庫)              497 
菩提達磨        「菩提達磨無心論」(世界の名著 続3:中央公論社) 500    
智顗          「摩訶止観」(大乗仏典 中国日本編6:中央公論社)  538
吉蔵          「三論玄義」(大乗仏典 中国日本編2:中央公論社) 549   
法融          「絶観論」(大乗仏典 中国日本編11:中央公論社)  594        
道宣          「広弘明集」「続高僧伝」(大乗仏典 中国日本編4,14)596   
玄奘三蔵        「大唐西域記」(大乗仏典 中国日本編9)       602  
弘忍           「修心要論」(大乗仏典 中国日本編11)        602   
神秀           「観心論」(大乗仏典 中国日本編11:中央公論社)   606   
善導          「観経疏」(大乗仏典 中国日本編5:中央公論社)   613  
慧能          「六祖壇教」(世界の名著 続3:中央公論社)     638
法蔵          「華厳五教」「金師子章」(大乗仏典 中国日本編7)  643   
道世          「法苑珠林」(大乗仏典 中国日本編5:中央公論社)  668 
圭峯宗密        「原人論」(大乗仏典 中国日本編7:中央公論社)   780      
洞山          「洞山録」(世界の名著 続3:中央公論社)       807
臨済          「臨済録」(岩波文庫)              ~867
賛寧          「宋高僧伝」(大乗仏典 中国日本編14:中央公論社) 919 
静・均二禅徳      「祖堂集」(世界の名著 続3:中央公論社)       952 
圜悟          「碧巌録」(岩波書店)               1063
無門          「無門関」(岩波文庫)               1183
ツォンカパ        「菩提道次第大論」(大乗仏典 中国日本編15)    1357 
※中国仏教については、「大乗仏典 中国日本編(1~15)」(中央公論社)に基づいて選択しています。

(インド哲学)
古代インド詩人     「リグ・ベーダ賛歌」(岩波文庫)
古代インド哲人     「ウパニシャット全書1~9」(世界文庫刊行会)
(ヤージニャヴァルキヤ 「ブリハッド・アーラヌヤカ・ウパニシャッド」)
マヌ          「マヌの法典」(岩波文庫)      
クリシュナ       「バガヴァッド・ギーター」(岩波文庫)
イーシュヴァラクリシュナ「サーンキヤ・カーリカー」(世界の名著1:中央公論社)
バタンジャリ      「ヨーガ・スートラ」(世界の名著1:中央公論社)
ヴァーツャーヤナ    「ニヤーヤ・バーシュヤ」(世界の名著1:中央公論社)
シャンカラ       「ブラフマ・スートラ註解」(世界の名著1:中央公論社)
シャンカラ        「ウパデーシャ・サーハスリー : 真実の自己の探求」(岩波文庫)
ラマーヌジャ      「ヴェーダの要義」(世界の名著1:中央公論社)
吟遊詩人        「バーガヴァッタ・プラーナ」(世界の名著1)
マーダヴァ       「全哲学要綱」(世界の名著1:中央公論社)
ラーマクリシュナ     「ラーマクリシュナの福音」(日本ヴェーダーンタ協会)
ダゴール         「哲学・思想論集」(タゴール著作集7:第三文明社)」
ダゴール         「ダゴール詩集:ギタンジャリ」(岩波文庫)
ガンジー        「ガンジー聖書」(岩波文庫)
ヴィヴェーカーナンダ  「最高の愛」(日本ヴェーダーンタ協会) 
オーロビンド      「神の生命 : 霊的進化の哲学」(文化書房博文社)  
ラマナ・マハルシ    「ラマナ・マハルシとの対話」(ナチュラルスピリット)
クリシュナムルティ   「英知の探求 : 人生問題の根源的知覚」(たま出版)
ラジネーシ       「存在の詩」(めるくまーる社)

(インド仏教)
ブッダ         「南伝大蔵経(1~64)」(大蔵出版)
ブッダ         「ブッダのことば(スッタニパータ)」(岩波文庫)
ブッダ          「真理のことば(ダンマパダ)・感興のことば(ウダーナヴァルガ)」 (岩波文庫)
ブッダ         「ブッダ最後の旅(大パリニッバーナ経)」(岩波文庫)
ブッダ         「金剛般若経」「善勇猛般若経」(大乗仏典1:中央公論社)
ブッダ          「八千頌般若経」(大乗仏典2,3:中央公論社)
ブッダ          「法華経.」(大乗仏典4,5:中央公論社)
ブッダ         「無量寿経」「観無量寿経」「阿弥陀経」(大乗仏典6)
ブッダ         「維摩経」「首楞厳三昧経」(大乗仏典7:中央公論社)   
ブッダ         「十地経」(大乗仏典8:中央公論社)
ブッダ         「宝積部経典」(大乗仏典9:中央公論社)
ブッダ         「三昧王経」(大乗仏典10,11:中央公論社)
ブッダ          「如来蔵経」「不増不減経」「勝鬘経」「智光明荘厳経」(大乗仏典12).
ブッダ         「大日経」「金剛頂経」「菩提心論」「摂無礙経」(大乗仏典 中国日本編8).
ブッダ         「ブッダ・チャリタ」(大乗仏典13:中央公論社)
馬鳴          「大乗起信論」(岩波文庫)
竜樹          「竜樹論集」(大乗仏典14:中央公論社)
竜樹          「大智度論」(大乗仏典 中国日本編1:中央公論社)
竜樹          「廻静論」(世界の名著2:中央公論社)
月称          「明らかなことば」(世界の名著2:中央公論社)
清弁          「知恵のともしび」(世界の名著2:中央公論社)
世親          「倶舎論」「釈論」「唯識二十論」(世界の名著2)
世親          「世親論集」(大乗仏典15:中央公論社)
グプタ         「論理のことば」(世界の名著2:中央公論社)
※大乗仏典については、「大乗仏典(1~15)」(中央公論社)に基づいて選択しています。なお小乗仏典については、「南伝大蔵経」(大蔵出版)が最適です。

(イスラム哲学)
マホメット       「コーラン」(岩波文庫)                 570  
ブハーリー        「真正集」(ハディース イスラーム伝承集成:中央公論社) 870没
キンディー       「知性に関する書簡」(中世思想原典集成11:平凡社)    801
ファーラービー     「有徳都市の住民がもつ見解の諸原理」(中世思想原典集成11)870
イブン・スィーナー    「救済の書」(中世思想原典集成11)            980
ガザーリー        「イスラーム神学綱要」「光の壁龕」(中世思想原典集成11)
ガザーリー        「誤りから救うもの」(ちくま学芸文庫)          1058
イブン・バーッジャ    「知性と人間の結合」(中世思想原典集成11)          1095
イブン・トファイル    「ヤクザーンの子ハイイの物語」(中世思想原典集成11)    1105
イブン・ルシュド     「矛盾の矛盾」(中世思想原典集成11)           1126
劉智          「天方性理」(イスラーム古典叢書:岩波書店)        1660

(その他の東洋哲学)
古代エジプト聖典   「エジプト死者の書」(アケト)
チベット仏教聖典   「チベット死者の書」(ちくま学芸文庫)
ゾロアスター経典   「アヴェスター」(ちくま学芸文庫)

【日本】
(日本仏教)        
聖徳太子       「勝鬘教義流」(大乗仏典 中国日本編16:中央公論社) 574   
最澄         「願文」「顕戒論」(大乗仏典 中国日本編17)     767  
円仁         「金剛頂大教王経疏」(大乗仏典 中国日本編17)     794
空海         「秘密曼荼羅十住心論」(大乗仏典 中国日本編18)   774  
安然         「真言宗教時義」(大乗仏典 中国日本編19)      841
源信         「往生要集」(大乗仏典 中国日本編19)        942   
栄西         「金剛頂宗菩提心論口決」(大乗仏典 中国日本編20)  1141   
明恵         「光明真言土沙勧信記」(大乗仏典 中国日本編20)   1173
法然         「選択本願念仏集」(大乗仏典 中国日本編21)     1133  
一遍         「一遍上人語録.」(大乗仏典 中国日本編21)      1239   
親鸞         「浄土文類聚鈔」「教行信証」(大乗仏典 中国日本編22)1173
道元         「正法眼蔵」(大乗仏典 中国日本編23)        1200
日蓮         「観心本尊抄」「立正安国論」(大乗仏典 中国日本編24)1222
無住         「沙石集」「聖財集」(大乗仏典 中国日本編25)    1227   
虎関         「元亨釈書序」(大乗仏典 中国日本編25)       1278     
一休         「狂雲集」(大乗仏典 中国日本編26)         1394     
良寛         「良寛道人遺稿」(大乗仏典 中国日本編26)      1758   
白隠          「息耕録開筵普説」(大乗仏典 中国日本編27)     1686  
※日本仏教については、全て「大乗仏典 中国日本編15~27)に基づいています。

(日本哲学)
聖徳太子       「十七条憲法」(日本の名著2:中央公論社)     574
中江藤樹       「翁問答」(日本の名著11)            1608
熊沢蕃山       「集義和書」「集義外書」(日本の名著11)     1619
山鹿素行       「山鹿語類」「配所残筆」(日本の名著12)     1622
伊藤仁斎       「論語古義」「童子問」(日本の名著13)      1627
貝原益軒       「大和俗訓」「楽訓」「大疑録」(日本の名著14)  1630
山本常朝       「葉隠」(日本の名著17)             1659
荻生徂徠       「学則」「弁道」(日本の名著16)         1666 
石田梅岩       「都鄙問答」(日本の名著18)           1685
富永沖基       「翁の文」「出定後語」(日本の名著18)      1715
三浦梅園       「玄語」「贅語」(日本の名著20)         1723
本居宣長       「宇比山踏」「直毘霊」(日本の名著21)      1730
山片蟠桃       「夢の代」(日本の名著23)            1748
海保青陵       「天王談」(日本の名著23)            1755
佐藤信淵       「鎔造化育論」(日本の名著24)          1769
平田実篤       「古道大意」「霊能真柱」(日本の名著24)     1776
鈴木雅之       「衝賢木」(日本の名著24)            1837
二宮尊徳       「二宮翁夜話」(日本の名著26)          1787
佐藤一斎       「言志四録」(日本の名著27)           1772
大塩中斎       「洗心洞剳記」(日本の名著27)          1793
藤田東吾       「弘道館記述義」(日本の名著29)         1774
会沢正志斎      「新論」(日本の名著29)             1782
西郷隆盛       「西郷南洲遺訓」「敬天愛人」(岩波文庫)     1827
吉田松陰       「講孟余話」(日本の名著31)           1830
福沢諭吉       「学問のすすめ」(日本の名著33)         1835
西周         「百一新論」(日本の名著34)           1829 
中江兆民       「続一年有半」(日本の名著36)          1847
内村鑑三       「求安録」(日本の名著38)            1861
岡倉天心       「東洋のめざめ」(日本の名著39)         1862
徳富蘇峰       「吉田松陰」(日本の名著40)           1863
山路愛山       「現代日本教会史論」(日本の名著40)       1864
森鴎外        「智恵袋」(日本の名著41)            1862
夏目漱石       「文芸の哲学的基礎」「則天去私」(日本の名著41) 1867
清沢満之       「精神主義」(日本の名著42)           1863
鈴木大拙       「日本的霊性」(日本の名著42)          1870
西田幾多郎      「善の研究」「叡智的世界」(日本の名著47)    1870

新渡戸 稲造     「武士道」(新渡戸稲造全集1:教文館)         1862
田辺 元       「実存と愛と実践」(田辺元全集9:筑摩書房)       1885
折口 信夫      「神道宗教篇」(折口信夫全集20:中央公論社)     1887
九鬼 周造      「人間と実存」(九鬼周造全集3:岩波書店)       1888
和辻 哲郎      「倫理学」(和辻哲郎全集10:岩波書店)        1889
三木 清       「語られざる哲学」(三木清全集18:岩波書店)     1897
清水 幾太郎     「心の法則」(清水幾太郎著作集:講談社)        1907
亀井 勝一郎     「日本の智慧」「西洋の智慧」(亀井勝一郎全集7:講談社)1907
森 有正       「思想の神秘主義的要素」(森有正全集9:筑摩書房)   1911
中村 元       「普遍思想」(中村元選集決定版別巻2:春秋社)      1912
井筒 俊彦      「神秘哲学」(井筒俊彦著作集1:中央公論社)      1914
梅原 猛       「人間の発見」(梅原猛著作集12 :小学館)       1925
河合 隼雄      「魂の知と信」(河合隼雄著作集11:岩波書店)      1928
※近代(西田幾多郎)までについては、「日本の名著全50巻」(中央公論社)に基づいて選択しています。それ以降の哲学書については、その哲学者の哲学全集が発行されている哲学者を対象に、「国立国会図書館蔵書検索システム」に基づき、『それ』の記載があるであろうと思われる哲学書を選択しています。

(神道)
神道聖典       「古事記」(岩波文庫)
神道聖典       「日本書紀」(岩波文庫)
神道聖典       「古語拾遺」(岩波文庫)
神道聖典       「祝詞」「宣命」(神道大系 古典註釈編6:神道大系編纂会)




参考(名文例)
※参考までに、ソロモンの智慧とプラトンの智慧とデカルトの智慧に関する名文例を掲載して置きます。


ソロモンの智慧

『知恵が呼びかけ、英知が声をあげているではないか』
                        ソロモン「旧約聖書『箴言』」より

「知恵が呼びかけ、英知が声をあげているではないか。
 高い所に登り、道のほとり、四つ角に立ち、城門の傍ら、町の入り口、城門の通路で呼ばわっている。
『人よ、あなたに向かって私は呼びかける。
 人の子らに向かって私は声をあげる。
 浅はかな者は熟慮することを覚え、愚か者は反省することを覚えよ。
 聞け、わたしは指導者として語る。
 わたしは唇を開き、公平について述べ、わたしの口はまことを唱える。
 わたしの唇は背信を忌むべきこととし、わたしの口の言葉は正しく、よこしまなことも曲がったことも含んでいない。
 理解力がある人には、それがすべて正しいと分かる。
 知識に到達した人には、それがすべてまっすぐであると分かる。
 銀よりもむしろ、わたしの諭しを受入れ、精選された金より、知識を受け入れよ。
 知恵は真珠にまさり、どのような財宝も比べることはできない。

 わたしは知恵。
 熟慮と共に住まい、知識と慎重さを備えている。
 主を畏れることは、悪を憎むこと。
 傲慢、驕り、悪の道、暴言をはく口を、わたしは憎む。
 わたしは勧告し、成功させる。
 わたしは見分ける力であり、威力を持つ。
 わたしによって王は君臨し、支配者は正しい掟を定める。
 君侯、自由人、正しい裁きを行う人は皆、わたしによって治める。
 わたしを愛する人をわたしも愛し、わたしを捜し求める人はわたしを見いだす。
 わたしのもとには富と名誉があり、すぐれた財産と慈善もある。
 わたしの与える実りは、どのような金、純金にもまさり、わたしのもたらす収穫は、精選された銀にもまさる。
 慈善の道をわたしは歩き、正義の道をわたしは進む。
 わたしを愛する人は嗣業を得る。
 わたしは彼らの倉を満たす。』」

出典:ソロモン「旧約聖書『箴言』」
    聖書新共同訳、旧一〇〇〇~一〇〇一頁、日本聖書協会、一九九二年発行

※実際の原稿においては、縦書きとし(フォームはA4版の横向き)、名文を含む頁を全部スキャナーで読み込んだ上で、名文の個所を『』で示す事になります。



プラトンの智慧

『真の徳は知恵を伴う』
           プラトン「パイドン」より      

「こんなふうに、快楽と快楽、苦痛と苦痛、恐怖と恐怖を、まるで貨幣でもあるかのように、大きいのと小さいのを交換するのは、徳を得るための正しい交換とは言えないだろう。そうではなくて、われわれがこれらすべてをそれを交換すべきただ一つの真正な貨幣があるだろう。知恵こそ、それなのだ。そして、もしすべてがそれを得るために、あるいは、それを用いて売買されるなら、そのときこそ真の勇気、節制、正義、一言にしていえば真の徳が存在するのだ。真の徳は知恵を伴うのであて、快楽、恐怖、その他、すべて、そういうものが加わろうが、とり去られれようが、それは問題ではない。しかしこれらが、知恵からきり離されて、相互のあいだで交換されるなら、そのような徳は、いわばまさに絵に描いた餅にすぎないのであり、まさに奴隷の徳であり、なんらの健全さ真実も含まないであろう。真の徳とは、節制であり、正義であり、勇気であれ、すべて、そのような情念からの、まさに浄化(カタルシス)であって、知恵こそこの浄めの役を果たすのではないか。」

出典:プラトン「パイドン」
     世界の名著六「プラトンⅠ」、五〇九~五一〇頁、中央公論社、昭和四一年四月二〇日、初冊発行

※実際の原稿においては、縦書きとし(フォームはA4版の横向き)、名文を含む頁を全部スキャナーで読み込んだ上で、名文の個所を『』で示す事になります。



デカルトの智慧

『哲学とは最高の善(知恵)を求める事である』
                         デカルト「哲学の原理」より

「私が序文を書くとしたなら、先ず第一に、哲学とはなんであるかを明らかにしようとして、次のような周知のことがらからはじめたでありましょう。すなわち『哲学』という語が知恵の探求を意味すること。知恵とはたんに実生活における分別をさすばかりでなく、人間の知りうるあらゆることについての完全な知識――自分の生活の指導のためにも、健康の保持やあらゆる技術の発明のためにも役立つような知識――をもさすこと。この知識がこれらの目的に役立つものであるためには、それが第一原因から導きだされることが必要であり、したがってこういう知識の獲得に努める――これが本来、哲学すると名づけられることです――ためには、そのような第一原因の、すなわち原理の、探求ということからはじめなくてはならないこと、これらの原理が二つの条件をそなえなければならないこと。その一つは、それらがきわめて明晰できわめて明証的であって、人間精神がそれらを注意深く考察しようと心がけるかぎり、その真理性を疑えないほどであるということ。もう一つは、他の事物の認識がそれらの原理に依存しており、したがって、原理のほうは他の事物をまたずに知られうるが、逆に、他の事物のほうは原理なくしては知られないということ。つづいて、それら原理から、それに依存する事物の認識を演繹するに努めることになるわけですが、それはこの演繹の全過程のうちに、きわめて明白なもの以外の何ものもない、というふうにすすめなれねばならぬこと。
 実際、完全な知恵をそなえているのは、すなわちすべての事物についてあますところのない知恵をもっているのは、ひとり神のみでありますが、しかしながら人間とても、きわめて重要な真理について、あるいは多くあるいは少なく、知識をもっているに応じて、そのぶんだけは知恵をそなえているといわれることができるのです。その点はすべての学者が一致して承認することろであると信じます。
 次いで私は、この哲学の効用についてこう考慮を促し、次のことを示したでありしょう。すなわち、(哲学は人間精神の知りうるあらゆる事がらにわたるものであるから)われわれを未開で野蛮な人種から区別するのは哲学のみであり、それぞれの民族は、そこに属する人々が哲学することにひいでていればいるほど、それだけ開花し洗練されていること、したがってまた、真の哲学者をかかえていることが一国の手に入れうる最大の幸福であること、これらのことを信ずべきであるということ。なおまた、一私人の場合をいえば、この研究にたずさわっている人々と交わるだけでも有益であるが、みずからのこの研究にたずさわることは、それとは比較にならぬほどすばらしいことであること。あたかも、自分の目を用いて歩みを進め、わが目で色や光の美しさを楽しむほうが、目を閉じて他人の導きに従うよりは、疑いもなく、ずっとまさっているようなものです。もっとも他人の導きに従うのも、目を閉じたまま自分一人で歩こうとするより、まだしもましではありますが。
 ところで、哲学することなして生きてゆこうとするのは、まさしく、目を閉じて決して開こうとしないのと同じことです。しかも、われわれの肉眼にうつしだされるすべての事物を見る喜びは、哲学によって見いだされる事物の認識が与えてくれる満足とは、比較にならず小さなものです。そして最後に、この研究は、われわれの行動を律してこの世の生においてわれらを導くために、われわれの目の使用がわれわれの歩みを進めるために必要であるようりも、はるかに必要なものなのです。
 理性をもたぬ動物は、自分の身体さえ保存すればよいわけですから、たえず身体の養いとなるものをさがすことをかかりきっています。しかし人間は、精神を主要な部分とするのですから、精神の真の糧である知恵を求めることを主たる関心事とすべきでありましょう。そして、実際、もしもこの仕事において成功をおさめる見通しがつき、自分にもどれほど多くのことがやれるかがわかりさえするなら、少なからぬ人々がそれに取り組んでくえるにちがいない、と私は確信しております。どんなに卑しい心でも、まったく感覚の対象のとりこになっているわけではなくて、ときにはそれから離れ、ほかのもっと大きな善を望むものなのです(たとえこの大きな善が何に存するかを知らない場合が多いにしても)。たいそう運にめぐまれて、健康や名誉や富を十分すぎるほどもっている人々も、そういう欲求をおぼえずにいられない点では、他の人々とちがいがありません。むしろ反対に、そのような人々こそ、現に所有しているすべての善とは別個の、もっと高い善を、極めて熱烈に渇望するものだ、と私は信じます。ところでこの最高の善というのは、信仰の光の助力なしに自然的な理性によって考察するかぎり、第一原因による真理の認識、すなわち知恵にほかならず、これの探求が哲学なのであります。」

出典:デカルト「哲学の原理」
   世界の名著二二「デカルト」、三一五~三一七頁、中央公論社、昭和四二年一月二〇日、初冊発行

※実際の原稿においては、縦書きとし(フォームはA4版の横向き)、名文を含む頁を全部スキャナーで読み込んだ上で、名文の個所を『』で示す事になります。